
《Mirage Cube》は、光が物質を透過しながら同時に視線を妨げるという逆説から出発している。本来透明であるはずの水は、角度によって鏡のように空間を反射する。光は内部で反射と屈折を繰り返し、視線の予測された軌跡を裏切る。この矛盾から「透明でありながら見えない」という概念が生まれた。この光学効果を空間へ拡張するため、水を保持できる特殊なアクリルキューブが開発された。内部の水と外部の光が干渉することで、角度のわずかな変化に応じて像が崩れ、虹色の反射が生じる。透明でありながら、キューブは確かに空間を遮断する。作品の内部では、透明と不透明の境界がつねに揺らぎ続ける。光が構造を通過するたびに焦点はずれ、奥行きは曖昧になる。空間は物質から現象へと移行し始める。《Mirage Cube》は、西の光学的探究の初期を支える基盤であり、光を物質ではなく出来事として扱い、「見る」という行為そのものを再考するための実験である。





Award
2016 Category of NEXTAGE Prize, JID AWARD 2016. (JPN)
2015 Grand Prize Graduation work Winner, Tama Art University, Department of Environmental Design. (JPN)
Technical Data
Type: Research-based Installation
Exhibition: Graduation Exhibition
Material: acrylic, water
Size: H 2100 × W 2340 × D 2340 mm (1249 units)
1 cube: H 100 × W 100 × D 100 mm
Half cube: H 100 × W 50 × D 100 mm
Credits
Technical Instruction: Tadahiro Takahashi (A - works)
Shooting: Takatoku Nishi
Video Editing: Takatoku Nishi