
屋仁の家において、屋根と縁側の構成が生み出す雨の挙動に着目した。強い雨は波板屋根を流れ、一定の間隔で地面へと落下する。その滴は溝へと導かれ、再び視線の中に現れる。この一連の流れは、雨が空間内を循環するような反復的な時間構造を形成している。 この水の経路を可視化するため、波板と溝を用いた装置の構成を検討した。単純な形態の中で落下位置と流れを制御することで、雨の運動を連続した現象として経験化することを意図している。実験では仮設の屋根を設置し、水の落下制御および流路の検証を行った。その結果、波板によって落下位置の調整が可能であり、狭い溝への誘導も成立することが確認された。 一方で、視点の高さによって現象の見え方が大きく変化することも明らかになった。縁側に座った位置からは雨の挙動が認識しづらく基礎レベルの調整が必要であると判断された。 本プロジェクトは、雨という一過性の現象を空間的に持続させる試みである。同時に、視点・素材・光といった条件が現象の成立と知覚に密接に関与することを示す実験として位置づけられる。

Technical Data
Type: Spatial installation proposal (unrealized project)
Material: Corrugated polycarbonate sheets, water channels
Site: Yani House, Amami Oshima, Japan
Size: Site-specific (engawa-based installation)
Credit
Organisation: OPO Co., Ltd.
Cooperation: Den-paku
Concept and Design: Takatoku Nishi
Research and Experimentation: Takatoku Nishi