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波が光をまとって踊るように見える――そんな地中海の風景に触れたとき、西はその動きを空間に映し出したいと感じた。
「Choppy Sight」は、マルタ共和国での滞在中に見た、さざ波と光の表情をもとに生まれた建具作品である。穏やかな波は柔らかな反射を、荒れた波は鋭い輝きを返す。その変化を、日本文化の象徴である「障子」の構造に重ね、反射角度を操作することで光の表情を制御している。鑑賞者の動きに応じて光がゆらめき、空間全体が水面のように揺れ動く。
内部構造では、縦横の反射パーツの反射率の違いが、市松模様のような周期的リズムを生み出す。これは、波が生み出す繰り返しの運動や、自然の秩序を象徴している。
「Choppy Sight」は、建具という建築要素を媒介に、自然現象と人の動きが空間を構成する装置として設計されている。光の曖昧な反射を通して、空間に波のような揺らぎと詩的な奥行きをもたらしている。





TITLE : CHOPPY SIGHT
EXHIBITION : Land Politics
VENUE : Valletta Contemporary, 15, 16, 17, Triq Lvant, Valletta, VLT1253, Malta
DATE : 19 March - 23 March. 2019
MATERIAL : Aluminium mesh, Wood
SIZE : 1screen = H1890, W715, D19 (full open=1430)
ORGANISATION : IAM Institute of Art Malta Language Program
SHOOTING : Takatoku Nishi
VIDEO EDITING : Takatoku Nishi


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