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風に揺れる白樺の葉が、光をまとって踊るように見えた瞬間。「Koive」は、そんな自然のリズムを空間に編み込むようにして生まれたインスタレーション作品。
フィンランド・HIAPでの滞在中、西はフィンランド建築における自然光の扱いに注目し、白樺の枝葉の動きから着想を得た。葉の揺れを模倣するのではなく、連続するフィルムのようにその瞬間を切り取り、光と風の記憶を層として積み重ねる構成を試みている。
構造には、穴の開いた鋼製ストラップを使用。既存の穴が曲げのプロセスを導き、張力とたわみのバランスによって形状が決定される。この構造的応答によって、自然の動きが空間の構成原理として現れる。フィンランドの太陽の低い角度が光の反射に繊細な変化をもたらし、時間とともに空間がゆっくりと呼吸するように変化していく。
「Koive」は、西が提唱する「現象建築」の思考に基づき、構造を通して自然のリズムを空間に翻訳する試みである。張力と光が織りなす詩的な秩序が、静かに立ち上がっている。






TITLE : Koive
EXHIBITION : HIAP Open Studios / Autumn 2023
VENUE : Suomenlinna B 34 / 2, FIN-00190 Helsinki
DATE : 28 October. 2023
MATERIAL : Perforated steel banding (20mm, t=0.7mm, L=30000mm) : 10m×18set
SIZE : H3670mm, W8200mm, D1200mm
ORGANISATION : TOKAS - Participating creator Exchange Residency Program 2023
HIAP – Helsinki International Artist Programme
SHOOTING : Takatoku Nishi
VIDEO EDITING : Takatoku Nishi



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