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日本の近代化が進むに連れ、夜が訪れても光で溢れるようになった。光の届かない闇を人は照らそうとする。なぜなら見渡せることのできない暗闇に、人々は恐怖を覚えるからである。現代は闇が失われてしまったかのように、室内も煌々と照らされた生活に馴れてしまった。私は現代に闇を作り出せないかを考えた。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』にもあるように本来、暗闇とはその場所や物の美しさを引き出させ、人に想像力を与えてくれる大事な存在である。そこで、強い光を一方向に作り、反対側に現れる影を利用することで、闇を生み出す照明器具を作り出した。光と闇が同じ空間に共存できる照明器具である。現代日本では、遠い存在となりつつある闇の魅力を再び感じ取る。

TITLE  : 明暗境界線 / TERMINATOR
EXHIBITION  : JIA&DAIKO Architectural Lighting Design Competition 2013
VENUE  :  Sapporo Ekimae-dori underground walkway (Chi-Ka-Ho), Sapporo, Hokkaido

DATE  : July 2013 
MATERIAL  : LED, Aluminum
SIZE  : 1set= H125, W125, D55
​SHOOTING  : Takatoku Nishi
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